ばかのうた / 星野源('10)

howdymoon2011-02-26


SAKEROCKのギタリストであり、
リーダーでもある星野源のソロアルバム。


その木訥としたユルユルなヴォーカルや
温かみのあるアレンジとは裏腹に、
歌詞はハッピーなものばかりではなくて、
幸せな日常の中での
ちょっとした寂しさみたいなものがテーマだったりする。
それがこの人の曲の奥行きをつくっているようだ。


世界は決して一つになんかなれないという歌。(「バラバラ」)


突然倒れて意識不明になり、
今にも命が果てそうになっている老人が、
老妻の隣がいいという歌。(「グー」)


二人の仲が冷めているため、
キッチンで寝てしまった男が
妻(恋人?)と別れることを決心した歌。(「キッチン」)


新婚時代に買った夫婦茶碗を、
50年後の今も使い続けている老夫婦の歌。(「茶碗」)


先立たれた老妻が好きだった場所に、
ぼけたふりをして歩いて行く老人の歌。(「老夫婦」)


微妙な距離がある男女。
男は君の癖を知りたいが、
引かれそうだと心配する歌。(「くせのうた」)


死んでしまった妹(?)を思う兄の姿を歌う歌。(「兄妹」)


子どものように若すぎる夫婦の日常を切り取った歌。(「子供」)


出稼ぎから帰ってきた父の歌。(「ただいま」) ※細野晴臣作曲。


今までにいろいろとあって揺れっぱなしだった二人。
ばかな歌を歌いながら一緒に揺れようという歌。(「ばかのうた」)


なんだか、人生っていいことばかりでもない、
かといって悪いことばかりでもないって、
思えてくるような歌詞なんだよな。

ばかのうた

ばかのうた