ばかのうた / 星野源('10)
SAKEROCKのギタリストであり、
リーダーでもある星野源のソロアルバム。
その木訥としたユルユルなヴォーカルや
温かみのあるアレンジとは裏腹に、
歌詞はハッピーなものばかりではなくて、
幸せな日常の中での
ちょっとした寂しさみたいなものがテーマだったりする。
それがこの人の曲の奥行きをつくっているようだ。
世界は決して一つになんかなれないという歌。(「バラバラ」)
突然倒れて意識不明になり、
今にも命が果てそうになっている老人が、
老妻の隣がいいという歌。(「グー」)
二人の仲が冷めているため、
キッチンで寝てしまった男が
妻(恋人?)と別れることを決心した歌。(「キッチン」)
新婚時代に買った夫婦茶碗を、
50年後の今も使い続けている老夫婦の歌。(「茶碗」)
先立たれた老妻が好きだった場所に、
ぼけたふりをして歩いて行く老人の歌。(「老夫婦」)
微妙な距離がある男女。
男は君の癖を知りたいが、
引かれそうだと心配する歌。(「くせのうた」)
死んでしまった妹(?)を思う兄の姿を歌う歌。(「兄妹」)
子どものように若すぎる夫婦の日常を切り取った歌。(「子供」)
出稼ぎから帰ってきた父の歌。(「ただいま」) ※細野晴臣作曲。
今までにいろいろとあって揺れっぱなしだった二人。
ばかな歌を歌いながら一緒に揺れようという歌。(「ばかのうた」)
なんだか、人生っていいことばかりでもない、
かといって悪いことばかりでもないって、
思えてくるような歌詞なんだよな。
- アーティスト: 星野源
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2010/06/23
- メディア: CD
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